これまでの広告が通用しない?Cookie規制時代に中小企業がやるべきこと
はじめに
- この記事の要点:今後のマーケティングはファーストパーティCookieが必須で、CROの重要度も高まっている。最新情報を常に追うことがおすすめ
- このような方におすすめ:Cookie規制についてざっくり知りたい方、Webマーケティングの概況を知りたい方
Cookie規制という一大イベントが起こった
Cookieは、ユーザーがあるWebサイトを訪れたときにユーザーの情報をブラウザ側に保存して、次の訪問のときにその情報からサイトがスムーズに使える状態にするための情報ファイルです。WebマーケティングはこのCookieの性質を利用して、ユーザーの趣向を捕捉してきました。
しかし、プライバシー保護への意識が高まり、Cookieの用途制限が設けられることになりました。有名な転換点は、2017年のAppleによるITP(Intelligent Tracking Prevention)です。GoogleやYahoo!に代表されるサードパーティCookieによるユーザーの追跡を制限するというもので、Apple純正ブラウザであるSafariに標準搭載されています。
アクセス解析は(Javascriptで捕捉できるため)可能ですが、Webサイトを離れたユーザーを広告で追跡するということが難しい状況になりました。また、当初はサードパーティCookieのみへの適用でしたが、Javascriptで生成した(いわば見せかけの)ファーストパーティCookieへも適用されるようになりました。Cookieの保存期間についても、ITPのアップデートごとに期間が短縮されてきました。
GoogleをはじめとしたWebマーケティングのプラットフォーマーはその都度アップデートされるITPへの対応策を講じ、AppleはまたITPをアップデートするという状況が続き、今に至ります。Apple製品のシェア率が高い日本においては重要な話題です。
重要度を増す2つの施策
これまでサードパーティCookieに頼ってきた状況が変わり、業界では大きく2つの方向性が出てきました。1つはサードパーティCookieに頼らない広告計測で、もう1つは集客後の成約率最適化(CRO)です。
広告計測:ファーストパーティデータの活用
外部データであるサードパーティCookieに頼れないため、そのプラットフォーム自身で取得できるファーストパーティデータの価値が高まっています。Shopifyに代表されるように、自社ECプラットフォームにCRMや解析機能が備わっているサービスがあります。また、GoogleがサーバーサイドGTMというファーストパーティCookieを成立させるタグマネジメントサービスを設けています。従来のGTMと異なりWebサーバー側でGTMが動作し、ファーストパーティデータの扱いとなるので、広告ターゲティングやトラッキングがサードパーティのものよりも精緻になります(ツールの利用にはGoogleクラウドプラットフォームとの契約が必要で、利用料も発生します)。
いずれにしても、広告のデータ収集方式は以前よりも高度になり、かつ費用もかかる状況になっています。
CRO:成約率の向上
一度Webサイトを離れたユーザーを「追いかけ」づらくなったのならば、ユーザーを離さずに成約(コンバージョン)まで結びつけるという考え方も取れます。WebマーケティングではCRO(コンバージョン率最適化)またはLPO(ランディングページ最適化)とされる施策です。Webサイトに来てくれたユーザーに対して、迷わせることなく成約まで導くというWebデザイン的な観点からアプローチしていく手法です。幸いにもWebサイト内の行動データは、広告データよりもまだたどりやすい状況にあります。
最後に:両輪対応で、最新トレンドは常に追う
中小企業の方々におきましては、ファーストパーティデータの活用とCROに関する情報を整理し、できる範囲でまずは両輪での対応をしていくことをおすすめします。とりあえず何かしたい!という場合、費用が比較的かからず従来の技術で対応できるのはCROです。何か困ったことがあれば、エディプレックスにご相談ください。
ところで、サーバーサイドGTMの登場は画期的でしたが、Appleはその後ファーストパーティCookieにも対策を講じてきました。本稿では触れていませんが、EUのGDPRといった個人情報保護規制という流れも変わらず、いつかまた状況が一変するかもしれません。最新トレンドは常にキャッチアップしておくべきでしょう。Cookieにまつわる技術自体も、何かしら刷新があるかもしれません。
