デジタルメディアデザインにおけるグラフィックスキルに焦点をあてたワークショップ

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ediplexでは社員のスキルアップのため
ちょくちょく勉強会を開催しています。

それら勉強会の特徴の一つとして、
営業からデザイナー、エンジニアまで、職種に関係なく、
参加していることが挙げられると思います。

専門領域を横断してプロジェクトを進める事も多い
ediplexの社風の一つの現れでしょうか。

先日行われたデジテルメディアデザインにおける
グラフィックスキルをテーマにした、ワークショップ形式の
勉強会もデザイナーから営業、ディレクター、エンジニアまで
様々な職種の人間が参加しました。
(ディレクター職の私、yobataもちゃっかり参加しました。)

そのワークショップの講師には
グラフィックデザイナー・アートディレクターで
多摩美術大学の教授でもいらっしゃる永原康史さんをお招きしております。
社内では通称【永原塾】という愛称で月1回のペースで開催されています。

永原さんといえば、愛知万博「サイバー日本館」、
サラゴサ万博日本館サイトのアートディレクターなどを
歴任し、今年も「あいちトリエンナーレ2016」の公式デザイナーを務められています。

もちろん、その他にもここには書ききれないほど
たくさんの素晴らしいお仕事をされており、特にデジタルとデザインの融合領域に関しては
日本を代表するご活躍をされております。
詳しくはGoogleにてご覧ください

という事で、今回はその内容を簡単にご紹介したいと思います!


コンパスを使って正円と正三角形を描く。



人が初めて書いた図形は正円で、
その次に書かれたのが三角形であるという説ががあるそうですが、
私達もコンパスと定規を使い正円と正三角形を書きました。

円はコンパスを使えば簡単に書けますが、
正三角形はそれらだけで書けるのでしょうか?
まぁ書けるんですが、一瞬迷いますよね…。


コンパスと定規を使って正四角形を描く。



次に、やはりコンパスと定規だけを使い正方形を描きます。
直角を取る道具なしに正方形書けるのでしょうか?
これもまぁ書けるんですが、もし良かったら
お手持ちのコンパスと定規でチャレンジしてみて下さい。
コンパスを使うと直角を取ることができるので、
直角が取れればあとは簡単です。

そしてココで、正方形に対角線を引いてみます。
その対角線の長さは√2と表現する事ができます。

これは当たり前なんですが、√2は割り切れないので、
CGで正方形の対角線を正確に表現しようとしても出来ないんです。
これはπにも同じ事がいえ、円周率は割り切れないので、
CGでは正確な正円も(厳密には)書くことが出来ないそうです。

一見CGが得意そうなそういった図形は
厳密に演算しようとすると出来ないんですね。

人間はπや√を概念化することができたので、
それらは様々な応用が可能になっていたんですね。

デザインをするという事も、そこにある何かを概念化すること
なので、ちょっとそれ似ていると永原さんはおっしゃっていました。


白銀比、黄金比を描く。


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さて、正方形の対角線を使って√2がかけると、
縦横比が1:√2の白銀比を書く事が出来きます。
白銀比は言わずもがな、A3、A4など紙の規格に使われている
半分にすると、元の紙と同じ比率の長方形が出来がる
あの便利な比率ですね。

さらに、正方形を半分にし、その対角線を使って黄金比も描く事が出来ます。
黄金比も割っても割っても黄金比を 持つ長方形が残る不思議で
色々便利な比率ですね。

こういった、比率がなぜ、美しいとされているのかは色々説があると思いますが、
永原さんがおっしゃるには、便利な比率であるから、人が使い続けているし、
この比率は身の回りに沢山ある。つまり人はこの比率に馴染みがある。との事。

これは面白いですね、美しさ云々を仮に抜きにしても、
黄金比、白銀比に人が馴染みがあるのは、紛れもない事実なので、
それは効果的に、使う事ができるという話です。

地球に重力があり、人間はその環境に否が応でも適応せざるを得なかったように、
私達は身の回りには黄金比、白銀比があふれる社会で生きているので、
否が応でもその環境に慣れている。
という事を少なくともデザインに利用できるという話です。
(と、僕は理解しました。)

そう考えると、例えば、非調和的な刺激を与えたいときは、それらの比率を外すとか、色々応用が効きそうです。

ここまで、コンパスと定規だけを使うという一定の制約の上で、
正円から黄金比まで、様々な図形を書いてきました。

永原さんの様々な解説を聞きながらそれらの図形を書いていると、
何百万年?前に人が図形を初めて書いたであろう
その瞬間に立ち会っているような気持ちになるから不思議です…。


正方形の作り方を考え、言語化してみる。



最後に、各自正方形の作り方を考え、言語化するワークを行いました。

どういう事かといいますと、
例えば、(直角が取れることが前提ですが)x進んで90度右折を4回繰り返す。
とか、同じ長さの4本の端が4箇所ともピッタリくっつけるといったように、
どうやったら正方形を作れるかを考えるんです。

するといくつも方法が考えられると思います。
そして、それらの方法は、変数(パラメーター)と
アルゴリズムに分解する事ができます。

x進んで90度右折を4回繰り返す。
でいうと、xを変数として、
アルゴリズムは変数分進んで、90度右折を4回繰り返す。
といった感じになるでしょうか。

アルゴリズムだけに注目すると、上の写真のような崩れた四角形と正方形も
変数(パラメーター)が変わっただけで、同じアルゴリズムが実行されたと考える事もできます。

この最後のワークを体験すると、
正円から黄金比まで、コンパスと定規を使って書いてきましたが、
それもコンパスと定規を組み合わせてある種のアルゴリズムを
組んでいたと考えられるかもと思えてきます。

といったように、
デザインの話をしているのに、プログラムの話をしているようにも聞こえ、
アルゴリズムの話をしているのに、デザインの話をしているようにも聞こえる、
非常に刺激的なワークショップでした。

次回はPostScriptをコーディングするとの事。
非常に楽しみです。

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