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アートディレクターとプロデューサーのエディプレックス汗まみれ

エディプレックスはデザイン、システム、インフラ部門を社内に持つクリエイティブプロダクションです。プロジェクトは基本的に営業担当を兼ねるプロデューサーがクライアントとの窓口となり、制作の指揮を取るアートディレクターを中心に、デザイナー、フロントエンジニア、システムエンジニアらとともに、一丸となってクリエイディブに取り組んでいます。今回は実際のケーススタディを例に、アートディレクターの渡邊允規、プロデューサーの石井明との対談から、私たちエディプレックスのクリエイティブの流儀をご紹介します。

渡邊允規 / Masaki Watanabe

アートディレクター

2011年入社。デザイン領域全般を統括している。社内ではアートディレクターとして制作の指揮をとっている。他のデザイナーから質問を受けたり、意見を求められたりすることもしばしば。音楽への造詣が深く、音楽制作や、DJ、国内外でのライブ活動を始め、音楽レーベルとしての活動もゆるやかに行いつつ、書籍の執筆・編集も行うなど社外の活動も大切にしている。場末の酒場や昭和ムードのラーメン屋が大好物。
日本グラフィックデザイナー協会会員。

http://www.shipsmag.jp/2015summer/article/63
http://neguse-group.com

石井明 / Akira Ishii

プロデューサー

2012年入社。エディプレックスとは前職から15年以上の付き合い。創設時を外部パートナーだった時代から知っている。エディプレックス合流後は営業チームリーダーとして、企画提案段階から実制作段階、運用段階に至るまで一貫してクライアントと向き合う。社内ではデザインチーム、システムチームと連携を取りながら工数面やスケジュール面を進行管理するプロジェクトリーダー。休暇には家族でキャンプに行くなどアクティブかつ「いいお父さん」的側面を持ち、社内のムードメーカーでもある。

仕事が大変なときは、一緒に缶ビールを飲みながら歩いて帰ることも

お仕事の話の前に聞きたいのですが、渡邊さんと石井さんは仕事以外の時間を共にすることもあるのでしょうか。石井:そうですね、そんなに頻繁というわけではありませんけど。渡邊さんとは最初、お互い音楽好きという共通項から距離が近くなったんですよね。

渡邊:そうでしたね。実はお互いの自宅が徒歩5分の距離にあることも分かって。「あの居酒屋、知っていますか?」みたいな会話からご近所飲みをやるようにもなりましたね。石井さんがエディプレックスに入社したのは約4年前で、それまでは僕らの取引先企業の方だったんです。

田酒が好きな渡邊さん
やきとりが大好きな石井さん
外部パートナーから中途入社されたんですね。

石井:はい。仕事を依頼する側の人間として、エディプレックスとは会社の立ち上げの時期からずっとプロジェクトを共にしていたんですね。ジョインしてからはさらにガッツリと仕事をすることになりましたが、その中には当然スムーズに進むものばかりではなくトラブルもあって。

渡邊:そんなときは石井さんと終電まで仕事して、缶ビールを飲みながら、ああでもない、こうでもないと話して徒歩で帰宅することもありましたね。

石井:そうそう。あと、僕らは自転車出勤するときもあるので、渡邊さんと自転車で一緒に帰ったことがあるんですよ。そしたら渡邊さんのチャリの性能が高すぎて、僕が置いていかれたという(笑)。あまりにも僕が追いつかないものだから、渡邊さんは途中で引き返して様子を見に来てくれたんですよね。あれ以来、もう二度と一緒にチャリでは帰らないと決めました(笑)。

サイクリングおじさんクラブ

プロジェクトメンバー全員でワイヤーフレームを考える

渡邊さんと石井さんはそれぞれアートディレクターとプロデューサーという肩書きですが、エディプレックスにおけるお二人の役割を教えていただけますか。

石井:僕は主にお客様と向き合う側面が強いですね。制作物の方向性が固まれば後工程は制作チームに任せて、お客様とのコミュニケーションの調整役に徹します。肩書きとしてはプロデューサーですが営業的な役割もあり、プロデューサーチームは現在3人体制で、僕の他に男性と女性のメンバーがいます。

渡邊:いわゆるアートディレクターはデザインの方向性を決めて指揮をとっていくことが主な役割ですが、僕の場合は石井さんたちプロデューサーチームにプレゼン資料を作る段階からジョインします。初期段階から情報設計してデザインを考えていき、実制作ではデザインだけでなく、フロントエンドとシステムも含めたクリエイティブ全体をディレクションしています。ただ、これはあくまでも僕の場合であって、全てのアートディレクターにそうしてほしいというわけではありません。

プロデューサーとアートディレクターが一緒にプレゼン資料を作ると、クライアントとクリエイティブそれぞれの立場の視点が入るので、バランスの良い内容に着地すると思います。

渡邊:そうですね。どんな展開でプレゼンするとクライアントに響くのか、その骨格を組み上げていくという感じです。プロデューサーチームとクリエイティブチームが一緒になるというシーンでは、デザインスプリント的な取り組みも行っています。これはウェブサイトを制作するにあたって、デザインや企画の方向性、UI・UX、システムの仕様など、具体的に制作を進めるのに必要なワイヤーフレームをその案件に関わる、役員なども含めたメンバー全員でミーティングを通じて作るというものですね。

なぜデザインスプリントに取り組むようになったのですか。

渡邊:デザインスプリントは6時間×数日くらいの長丁場に発展することもありますが、端的にいえば意思統一ですね。案件の中にはメンバー全員の脳を集結させて取り組む必要のある大型のプロジェクトがあって、個々の知識と案件に対する理解の深度を揃えたいという狙いもありますが、今後仕事をやっていく上で案件の中心人物が固定されてしまうのではなく、メンバー全員の力を集結して立ち向かっていくほうが会社、個人としても絶対に成長していけると思っていて。

ホワイトボードのかわりに、大きなディスプレイでConceptsを使い、皆でディスカッションしながら全体の構成や仕様をその場で固めていく。

石井:それまではデザインチームやプランニングするメンバーが個々で企画やワイヤーフレームを作ってから、デザインやシステムを作っていくという進め方でしたけど、その都度確認していくのは効率的ではないということもあって。デザインスプリントに取り組んでからは実際に制作がスムーズになりました。スタッフからの質問のタイミングが早ければデザインやシステムも改善の余地がその分多いですし、プロデューサーとしてはクライアントの考えを共有しやすくなったのはかなり大きいです。

大型案件も内製できるという強み

実際に手掛けた案件を例にエディプレックスの強みを探っていきたいのですが、2016年7月にハワイ州観光局のポータルサイト「allhawaii」の総合制作を担当していますよね。

渡邊:そもそもは「allhawaii」の前身にあたるウェブサイトの小さなウェブコンテンツやページ制作をやらせていただいていたんですね。それからコミュニケーションを重ねていくうちに、ハワイ州観光局としてポータルサイトを作らなきゃいけないという話に発展して、コンペに参加してほしいという要請をいただきました。

「allhawaii」はどんな特徴のポータルサイトなのですか。

渡邊:「allhawaii」はハワイ現地のお店やホテルの方々が自らCMSにアクセスして情報や記事を追加・更新できるという内容なんです。コンセプトとしては、ハワイに出発前、滞在中、帰国後、どのシーンでも楽しく使えるサイトにしようというもので、現在多くの機能は実装されていませんが、今後拡張していきます。裏側のシステムが大掛かりなものになってしまい制作期間として1年間も掛かりましたが、現在公開中のものはβ版の位置付けです。最終的に、「allhawaii」の中に蓄積されていく情報がひとつの巨大なデータベースになっていくというイメージですね。
例えば記事的な情報であっても、安易なWYSIWYSエディターなどは使わずに、ユーザーが意識しなくても加工しやすいデータとして情報を入力できる編集画面の開発など、いろいろと拘っています。

プロジェクトの全体図

石井:ハワイ州観光局へのプレゼンは日本国内で行いましたが、現地のお店やホテルの方々が自ら更新できるという内容であるが故に、ハワイ州観光局ではなく実際に制作した僕らが現地の方たちに説明したほうが伝わりやすいだろうということで、ハワイでプレゼンすることになったんです。弊社代表の岸田がウェブのトレンドをお話しする基調講演をさせていただいて、その後に僕と渡邊さんが「allhawaii」について通訳を交えてプレゼンするという。

渡邊:国内で資料の骨格を作って、現地入りしてからホテルに籠ってプレゼンの練習を何度も繰り返しましたよね(笑)。

石井:そうそう(笑)。ハワイに1週間滞在する中で4日目がプレゼンの日で、現地入りしてからプレゼン当日まで、ずっと資料のブラッシュアップやプレゼンの練習をしていました。会社として重要な案件だったので、かなり気合を入れて。

渡邊:実際にプレゼンするのは石井さんの役割でしたが、僕は資料をスクリーンに映し出すデモンストレーションを担当しました。スライドの内容が印象深く伝わるように、タイミングを考えながらシステムのデモをしたり、エフェクトで演出していたのでVJのような役割でしたね。「allhawaii」は企画・デザイン、システムがオール内製で、メンバーとしては総勢10人が関わっています。

目の前がワイキキビーチなのに毎日ホテルに篭ってプレゼンの準備をしていた。
プレゼンをしたハワイ・コンベンション・センター。聞いていたより大きかったという。

コミュニケーション第一という共通認識

「allhawaii」のような大型案件を内製できるのはエディプレックスの大きな強みだと思います。外部のクリエイティブチームをアサインするという選択肢もあると思うのですが、なぜ内製にこだわるのでしょうか。

石井:もちろん、案件によっては外部パートナーを迎え入れたチーム編成もありますが基本的には内製です。理由としては、コストもコミュニケーションも極力シンプルにしたいんです。クライアントにとって窓口がひとつだとやりやすいですし、僕らは何よりもコミュニケーションを第一に考えているので。そう考えると、関わるメンバー全員が同じ方向を向いて作るものが、果たして伝えたいことを余すことなく伝えられるものなのか、ということは無意識のうちに共通認識になっているのかもしれませんね。

渡邊:僕自身、エディプレックスに入社する以前は外部パートナーとチームを組むことが常でしたが、今となっては内製に慣れてしまいました。コミュニケーションコストを必要以上に費やしてしまうことは問題ですね。

外注と内製、どちらも一長一短ありますが、現状はクライアントとすごく近い距離でコミュニケーションをとれている。だから制作物のクオリティを担保できて信頼関係を構築できているんだと思います。

石井:たしかにその通りですね。実は、エディプレックスは仕事の受け方として90%がクライアント直取引の総合プロダクションなんです。だからこそ、メンバーにクライアントの声も伝えやすいですしね。

渡邊:ディレクションという意味では外部と協業するよりは内製のほうが楽ですし、弊社には優秀なスタッフが揃っているのでアートディレクターとしては作りたいものに専念できるのは有り難いことです。何か問題が起きても制作の状況をそばで確認できるので、すぐにコミュニケーションをとって解決できる環境なんです。

そういう意味では、シンプルな座組でクリエイティブに専念したいという方には最適な環境なのかもしれませんね。

石井:実際にそうだと思います。現在、エディプレックスは18人という規模なので、風通しが良く仕事が非常にやりやすい。プロデューサー目線では、自分のやりたいデザインとその方向性をフラットにコミュニケーションをとれる環境なので、中途入社の方もスムーズにチームに合流していただける素地のある会社だと思っています。求められていることと自分がやりたいこと、その絶妙なバランスを突き詰めて表現できるはずですよ。

渡邊:アートディレクターとしても、クライアントと長期的な関係を構築できる制作物を意識しているので、物事を根本的に考えて本質を捉えようとする人に入社していただきたいですね。どれだけエッジの効いた仕事をしているクリエイターでも、エディプレックスの雰囲気に馴染めなければ意味がないですから。やはり僕らは同じ方向を向いて仕事をしたいんですよね。

エディプレックスではアートディレクターを募集しています。美味しいやきとりを食べに行きましょう!